アトピー性皮膚炎のことなら株式会社日本オムバス ホーム Dr.木田のブログ > 免疫とは「生体が自己と非自己を識別する機能」とまとめること

免疫とは「生体が自己と非自己を識別する機能」とまとめることができる。

【2010/01/25】

1.抵抗力を持つこと、または鈍感になること。

辞書(広辞苑)で「免疫」をみると、「人間または、動物の体内に病原菌や毒素が入っても、それに対応する抗体によって発病せぬだけの抵抗力があること。細菌や毒素の力を弱めたもの、または死菌を投与して人工的に抗体を作ることもある(予防接種)、また他の動物の免疫血清を投与して一時的に免疫を得ることもできるが、免疫時間は短い(血清療法)。つまり、これは、自己防衛の能力を持つこと、ということができるし、その力がないものを助けること、でもある。
免疫:生体が疾病、特に感染症に対して抵抗力を獲得する現象。自己と非自己とを識別し、非自己から自己を守る機構で、脊椎動物で特に発達。微生物などの異種の高分子(抗原)の体内への侵入に対してリンパ球・マクロファージなどが働いて特異な抗体を形成し,抗体を形成し、抗原の作用を排除・抑制する。「細胞性免疫と「液体性免疫」がある。


2.敏感になること、

アレルギー:種々の物質の注射・接種などにより抗体を産出したため、生体の反応状態が変わり、その物質に対して異常に敏感な反応を呈するに至ること、それを起こす物質をアレルゲンという。
つまり、これは、反応が過敏になること。「鈍感と敏感」この二つの異なる反応が本当は同じメカニズムが働いていることは興味ぶかい。
アトピー:ギリシャ語の奇妙な病気という意味で。遺伝的、家族的要因の強い即自型過敏状態をいう。この体質の人は、種々の抗原に容易に感作され、特異抗原(レアギンIgE)産生亢進が特異的である。その結果幼児期の湿疹やアレルギー性鼻炎、気管支喘息、花粉症、などを発症する。


3.免疫学者「多田富雄」の免疫の意味論:(青土社1993、p104)

「自分」とは、「他人でないもの」である。 「自己と非自己を識別し、非自己から自己を守る機構」に性質は「単一の細胞が分化する際、場に応じて多様化し、まず一つの流動的なシステムを構成する事から始まる。それからさらに起きる多様化と機能獲得に際の決定因子は、まさに自己という場への適応である。言い換えると、同種の細胞の増殖は、異種の細胞との葛藤の中で行われ、それが組織や器官を作る。」
人の体は75兆個の細胞でできている。そして、それは、40もの器官で構成されている。このルーツをさかのぼると、精子と卵子のゲノムの合体であることが分かる。この中に人の体を作る設計図が入っている。
4、子どもは風邪(ウイルス性急性上気道炎)を引きながら大人になる。
生まれたての子はお母さんから「抵抗力」:母体免疫(IgG:免疫グロブリン)をもらっています.半年たつとそれがなくなり、自分の力で抗体(IgA,IgM)を作ります。20~30回の風邪のウイルスにすべて抗体をつくには4~5年かかります。ウイルスは熱に弱いので、高熱がでると急速に死んでしまいます。40度もの熱が出ても2~3日でなおります。風邪の咳や下痢、おう吐も悪ものではありません。

参考書:「子育てはピーアドバイス」小児科の巻。1万年堂出版。小児科医吉崎達郎、秋橋大二郎共著。